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2016/02/05

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「柿沼 章さん」インタビュー 第二弾!

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-現在、柿沼さんは地域密着型のプロチーム「宇都宮ブリッツェン」を運営されていますが、発足のきっかけなどを教えていただけますか?

柿沼:「宇都宮ブリッツェン」の立ち上げ話が出たのは、選手時代の最後に、再度「ブリヂストンアンカー」に所属していた時です。現在チームでゼネラルマネジャーをしている廣瀬は、地元クラブチームで走った仲間で、「地元に帰ってチームを作りたい」という夢をずっと持っていたんです。その話を彼に聞かされるたびに「そうだよね~」と軽い気持ちで答えていましたが、その頃の僕はそこまで本気じゃなくて(笑)。でも彼は、自分で企画書を作りいろんなところを回っていました。そんな彼の情熱に賛同してくれた皆さんがだんだんと集まってくれて出来上がったチームですね。

-立ち上げの際に、企業や市など何か中心となる母体があったんですか?

柿沼:普通こういった話には母体があると思うんですが、我々の場合、母体は何にもなかったんです。 「宇都宮で自転車のプロチームを作ろう!」と決めてから、会社をおこし、スポンサーも探さなきゃいけなかったので大変でした(笑)。でも「ジャパンカップ」が開催される宇都宮という場所の力は大きかったと思いますし、情熱と理解ある沢山の方の力添えのおかげです。

-チームの立ち上げ当時はどんな感じでしたか?

柿沼:チームを国際登録するには選手が最低8名いなきゃいけないのですが、8名揃えるとなると選手に支払う契約金も高額です。そこで私も廣瀬も選手登録し走ることにして…そうすると契約金が2名分はゼロになりますから(笑)。当時、僕と廣瀬以外のスタッフは皆ボランティアとして手伝ってくれていましたので、それぞれ仕事を終えて集まってくる、という感じでした。

-そして2014シーズンでは国内トップリーグ「Jプロツアー」で年間チーム優勝という快挙を成し遂げられました。チームの成長をどんな気持ちで見守ってこられましたか?

柿沼:初年度は当然弱く、負けて帰ってくることが多かった。でもPVを作ったり…最初からプロモーションに力を入れていたので、「カッコばかりのチーム」という風に見られていたと思います(笑)。
そこに良いサイクルをもたらしてくれたのは、チーム設立2シーズン目から指揮を採ってくれた栗村監督ですね。とにかく選手たちのストロングポイントを伸ばす方針で、ちょっとずつ成績が良くなって、いい選手がチームに来てくれるようになり‥。だんだんと実力が伴ってきて。という好循環を生み出してくれたんです。国内のトップチームを抑えてJプロツアー年間総合優勝を勝ち取った時には、本当に灌漑深いものがありました!

-それはすごいですね!「宇都宮ブリッツェン」の魅力は何だと思われますか?

柿沼:やはり、応援してくれる人の数じゃないでしょうか。それが地域密着型チームだからこその強みです。
僕は現役時代に、スポーツクラブでアルバイトしながらレースに出て、日本チャンピオンを取ったことがありますが‥アルバイト先では、誰もレースのことを知らないんです(笑)。僕も何事も無かったようにバイトしてましたけど…やっぱり少し悲しいじゃないですか(笑)。

今、国内にも良い選手達は沢山いますし、彼らはものすごく努力してます。でもその頑張りに対してフォーカスが当たる機会は決して多くない。ロードレースは競技の特性上、リザルトに表れないけどレースの中でとっても重要な選手たちが沢山いるんです。そんな選手たちの走りは、それぞれが主役となるようなドラマがあります。そういう部分にフォーカスがあたるような環境になってこそ、ロードレース業界はメジャーなスポーツ業界になり得るんだと思います。「宇都宮ブリッツェンの選手は、たとえ負けても「この間、いい走りだったな!」とか「今度は頑張れよ」と言ってもらえる。誰でもそんな風に走りたいですよね。

-「宇都宮ブリッツェン」では様々な地域貢献活動もされていますね?

柿沼:はい、“自転車を通じて地域に必要とされる”という事をモットーに活動しています。 その中でも主幹的な活動が、学校訪問しての自転車教室ですね。ウィラースクールジャパンのブラッキー中島さんからノウハウを伝授して頂いて、それを我々なりにアレンジしています。
自転車の移動手段としての側面は、地域の子供たちに関係する事ですよね?プロロードレーサーは一般公道を年間3万キロも走りますから、経験上、危険予知能力も高いんです。
選手としての経験が、子供たちの役に立つなら嬉しいじゃないですか。
そういう活動の部分も評価して貰って、地元企業さんからスポンサードして頂いているんです。

-チームを運営する上で他に工夫していらっしゃる点などありますか?

柿沼:「世間の常識と業界の常識は違う」ということを常に意識したいと思っています。業界の常識にとらわれ過ぎると広がりが無くなってしまうんです。「宇都宮ブリッツェン」はレース会場にブリッツェンフェアリーという名のレースクイーンを連れて行くんですけど、レースクイーンがいるチームはかなり珍しいです(笑)。これは一例で、他にも様々なチャレンジをしていますが、自転車業界でカッコいいことと、世間で注目されることは違うんだなあとつくづく感じています。
弊社の廣瀬はアイデアマンで様々な思いつきをしてくれるのですが、そのアイデアを細かく作りこみ、実際に形にするスタッフは本当に大変で…いつも感謝しています。

-現在はCATEYEの製品をどのように活用されていますか?

柿沼:弊社が運営する宇都宮駅前の「宮サイクルステーション」では、ロードバイクやクロスバイクのレンタルをしていて、CATEYE社のライトやスピードメーターをお試しいただくことができます。実際にスピードメーターを使って走ると、時速何キロくらいでどのくらいの距離を走ったのか…など解ってとても発見がありますし、自転車がもっと楽しくなると思いますから、ぜひ使って頂きたいですね!
そして宇都宮ブリッツェンの選手にとっても、CATEYE製品はなくてはならない大切なパートナーです。

-最後に今後の目標や夢をお聞かせください。

柿沼:今、栃木県では「ツール ド とちぎ」という国際規模の自転車ロードレースの構想が動いています。「ツール ド フランス」のように栃木県内を6日間で争う本格的なラインレースで、このレースが実現すれば地域の魅力、そして栃木の魅力を全国に発信できる機会になります。 地域に育てて頂いた我々が、地域に恩返しができる…そんなチャンスになればと今から実現が楽しみです。

<プロフィール>
サイクルスポーツマネジメント株式会社 柿沼 章
1972年生まれ、栃木県出身。 プロロード選手として2005年~チームミヤタ、2008年~ブリヂストン・アンカーに所属。1997年、2001年に「全日本自転車競技選手権大会」個人タイムトライアルで優勝する。2008年、栃木県宇都宮を本拠地とする自転車ロードレースのプロチーム「宇都宮ブリッツェン」を仲間と共に立ち上げ。2011年にプロを引退、宇都宮ブリッツェンの監督に就任。チーム設立6年目の2014シーズンでは、国内トップリーグ「Jプロツアー」で年間チーム優勝に輝く。現在は宇都宮ブリッツェンを運営するサイクルスポーツマネジメント株式会社の代表取締役社長としてチームを支える。